甲状腺の病気を考えてみる1

漢和堂の臨床で出会う甲状腺疾患の代表は、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症です。

甲状腺機能亢進症と言えば「バセドー病」です。甲状腺機能低下症と言えば「橋本病」です。どちらも発見者にちなんで病名が付けられています。

原因も解らず、薬で抑えるか、はたまた手術に至ることもあります。そうすると、生涯ホルモン剤を飲むことになります。

そもそも甲状腺とはどんな組織でしょう?                   →甲状腺ホルモンを作っている内分泌器官です。

甲状腺ホルモンはどんな働きをしているでしょう?               →主に新陳代謝を促進するホルモンです。

甲状腺機能亢進症(バセドー病)はどんな病気ですか?             →新陳代謝が亢進し過ぎてしまう病気です。ホルモンの出過ぎで起こります。

甲状腺機能低下症(橋本病)歯どんな病気ですか?               →新陳代謝が低下してしまう病気です。ホルモンの不足で起こります。

どちらも新陳代謝に異常を来してしまう病気だということがわかりました。では、新陳代謝の異常は、何故いけないんでしょうか?

新陳代謝が亢進し過ぎれば、古い細胞が壊されるスピードに、新しい細胞が作られるスピードが追いつけなくなってしまい、様々な不都合が起こります。

新陳代謝が低下し過ぎれば、古くなった細胞が新しい細胞に生まれ変わるサイクルが鈍り過ぎてしまい、様々な不都合が起こります。

視点を変えると、本当のことが見えて来ます。甲状腺が異常を起こしたから病気が起こるのではないのです。

新陳代謝に異常が起こったから、甲状腺に異常が起きてしまったのです。これが大きなポイントです。

つづく