腸内環境について1

私が腸内環境に注目し始めたのは、今から30年ほど前だと思います。自分の体調不良からサプリメントの摂取を経て、腸内環境に意識が向くという変遷です。
当時はまだ、サプリメントという言葉自体が世間的認知を受けておらず、健康食品と称されていた時代です。2015年2月にNHKスペシャルで放映され反響を呼んだ「腸内フローラ」という言葉も当然ながら、ない頃でした。
その当時に注目したのは、腸内環境を整えるために必要な栄養(食物繊維、オリゴ糖)と身体の強壮、強精作用のある栄養素を組み合わせたものでした。それを摂取してもらうことによって腸内環境の改善を図ろうと考えたのです。
結果はさほど芳しくありませんでした。摂取していただいた皆さんに改善の実感が持てていなかったことと、腸施術においての所見に変化が乏しかったからです。
そして、腸内環境改善のための工夫は腸施術に重点を置いていくようになりました。それから長期間の臨床経験を積む中で、腸への施術法が確立していきました。中には驚くほど即効性を発揮する例もありました。
このふたつの経験から、腸内環境改善のために栄養素を与えるよりも、腸が正常に動けるように戻していく(腸施術)が大事だと変化して行きました。
腸の長さは、小腸が7メートル、大腸が1.5メートルと言われています。表面積はそれぞれ、テニスコート1面分と半面分。お腹に収まっていますが、実はとても大きな巨大臓器です。
腸内細菌は、小腸と大腸に分布しています。その種類1000種、その数100兆個以上と言われています。便の内容の1/3以上は腸内細菌の死骸と言われてもいます。

続く